硬質皮膜用Ti-Mo系ターゲット材「STAR-TM3」発売

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硬質皮膜用Ti-Mo系ターゲット材「STAR-TM3」発売

当社は東北特殊鋼(株)と共同でチタン系硬質皮膜で世界最高水準の硬さ(4500HV)と優れた密着性を両立した硬質皮膜用チタンモリブデン系ターゲット材「STAR-TM3(スター・ティー・エム・キューブ)」を開発し、4月に販売を開始しました。

"硬質皮膜"とは、切削工具や金型の表面に施して、工具や金型の表面を硬くするなどして特性を持たせ、寿命延長を図る膜のことです。そして、"ターゲット材"は複数の金属を溶解・焼結して板や円盤状にしたもので、アルゴンイオンや電子ビームなどを当てて、ガラス基板や工具などの表面に膜を作る際に使用される製品です。当社は1990年ごろからターゲット材を販売しており、その用途は硬質皮膜用に限らず、ディスプレイ用、タッチパネル用、装飾用、半導体用・建材用など様々な用途を取り扱っています。

各種ターゲット製品

ところで、「なぜ、STAR-TM3(スター・ティー・エム・キューブ)か?」といいますと、STARは大同特殊鋼のロゴマークに使われている星マーク、Tは東北特殊鋼とTi(チタン)、MはMo(モリブデン)、キューブは膜の結晶構造が、高い硬さを示す「立方晶=cubic」であることに由来しています。

このたび、当社が長年培ってきたチタン製造技術を活用し、工具や金型の母材との密着性が高く潤滑性に優れたモリブデンを添加した「STAR-TM3」を開発しました。当社独自の先進的溶解技術を活用してチタンと高い融点(2600℃以上)のモリブデンとの均一な金属組織を有する固溶体型の合金ターゲット材製造プロセスを確立。また、「STAR-TM3」を使用した皮膜は母材との密着性が非常に優れており、下地用ターゲット材を用いた成膜の必要がないため、お客様の製造プロセスにおけるコスト削減にも貢献している点がアピールポイントです。

なお、東北特殊鋼(株)で実施した鍛造金型での寿命試験(図1)において、「STAR-TM3」皮膜を施した鍛造金型は従来の窒化チタン皮膜や窒化チタンアルミ皮膜を施した金型に比べ約3倍の寿命となる結果が得られています。

図1. 鍛造金型での寿命試験(shot数)
(資料提供:東北特殊鋼(株))

詳しくは、本日4月4日に発表したプレスリリース"高硬度と高密着性を両立した硬質皮膜用Ti-Mo系ターゲット材を発売 ~従来比約3倍の長寿命を鍛造金型で実証~"でご確認いただけます。

本製品を「高機能金属展(4月6〜8日、東京ビッグサイト)」、「インターモールド(4月20〜23日、インテックス大阪)」、「MEDTEC Japan(4月20〜22日、東京ビッグサイト)、「機械要素技術展(6月22〜24日、東京ビッグサイト)」の各展示会に出展しますので、ぜひ各会場でもご覧ください。みなさまのお越しをお待ちしています。

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