伸びる輸出

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伸びる輸出

従来からの輸出市場開拓の努力が実り、1961年を境に当社の輸出は急激に増加し始めました。同年の鋼材輸出売上高は当社売上高の1.2%に過ぎませんでしたが、翌1962年には6.1%、1963年には約10%に伸長しました。この間の伸びはソ連向け構造用鋼の大量受注によるところが大きいものでしたが、その後、ソ連向け鋼材が減少する中、新たな輸出の中核市場となったのがアメリカでした。鋼種も構造用炭素鋼から、合金鋼、快削鋼、中空鋼、軸受鋼、耐熱鋼、溶接鋼線などの高級鋼種へと移り変わり、そして輸出比率も1965年には売上高の11.5%を占めるに至りました。鋼種の高級化、多様化とともに輸出市場もアメリカ大陸をはじめ、アジア、ヨーロッパ、アフリカ諸国に及び、その数は50数カ国に達しました。社内組織も輸出体制の強化を狙い、1960年に鋼材事業部発足と同時に輸出係を新設、その後輸出課から輸出部へと拡大。1964年には輸出増進に貢献したことから、通商産業大臣より「輸出貢献企業認定証」が授与されました。

輸出貢献企業認定証

また、1965年11月1日にニューヨーク事務所をパンアメリカンビル3階に開設し、アメリカ大陸への輸出の布石としました。パンアメリカンビルはグランドセントラル駅の上に建てられた地上59階、約246メートルのビルで当時世界7位の高さを誇りました。

ニューヨーク事務所が入居したパンアメリカンビル

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