省力化に貢献する定量注湯用ロボット

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省力化に貢献する定量注湯用ロボット

工業用ロボットとして多くのマニピュレータが市販されるようになりましたが、わが社の高蔵製作所でも、省力装置開発計画の一つとして、定量注湯という特定の目的のための工業用ロボットを製作しました。

定量注湯用ロボット

このロボットの主な機能は、保持炉から溶鋼を受ける受湯動作と、あらかじめ決められた量の溶鋼を受ける自動秤量、溶鋼を一定の場所に運ぶ運搬動作、運んだ溶鋼を型に注ぐ注湯動作に分けて行なうことです。写真からもわかるように、このロボットはマ二ピュレータの一種ですが、物をつかむ機能はなく、腕の先に溶鋼を受ける取鍋が取り付けられています。

このロボットの特徴は、

(1)搬送する重量が大きいこと
(2)取り扱うものが溶鋼、すなわち高温かつ液体であること
(3)腕が長いこと
(4)アーム全体が前後に動くのではなく、エルボーが回転するので狭いところでも自由が効く

などです。

このロボットは、従来市販されている工業用ロボットにはない特徴を有しているため、これから省力化の難しい鉄鋼関係の工場に広く利用され、産業界に貢献していくことでしょう。

(大同通信 1971年1月号から)

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