ダイドー・セーラム式 アルゴンー酸素精錬炉(AOD)

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ダイドー・セーラム式 アルゴンー酸素精錬炉(AOD)

AODとは、アルゴン-酸素精錬炉(Argon Oxygen Decarburizing Vessel)のことで、アーク炉で溶解しスラグを除去した溶鋼を受けて、溶鋼中にアルゴンと酸素を吹き込み、クロムの酸化を防止しつつ脱炭・精錬を行うものです。

アルゴンー酸素精錬炉(AOD)

従来、アーク炉で溶解-脱炭-精錬を一貫して行ってきた製鋼工程に、この脱炭と精錬の2つの機能を持つ専用炉を併設すればアーク炉は溶解するだけで済み、溶解能力がほぼ倍増する他、AODにより、脱炭時に避けられなかったクロムのロスを追放し、生産コストを下げるという大きなメリットがあり、特にステンレスの製鋼には画期的な方法といわれています。

AODの他に真空方式の脱炭炉がありますが、AODは高炭素からの精錬が容易にでき、脱硫が可能で、設備費も安く、操作が簡単など、多くの利点を持っています。機械事業部では、米国セ一ラム杜から技術を導入し、1971年末に容量55トンの第1号機をステンレスメーカーに納入したのに引き続き、2月には同社で75トンの2号機(世界で2番目の大きさ)の完成を目指しています。

(大同通信 1972年2月号から)

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