熱間圧延中の線材の直径を測定する自動寸法測定装置

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熱間圧延中の線材の直径を測定する自動寸法測定装置

従来、線材圧延工場では、線材の直径寸法の管理のため、圧延直後に線材の端末部をマイクロメーターで測定する作業を行なっていましたが、この方法では線材全長にわたっての測定ができない、人手をわずらわせなければならないなどの問題があります。

圧延中の線材の直径を自動的に測定するには、線材に光を当て、その影の寸法を測定する方法が考えられますが、圧延中の線材は上下左右に激しく振動しているため、従来、計器メーカーなどで製作された、この種の装置では精密な測定ができない、という欠点がありました。

当社では、多数の微細なシリコンセル(光の明暗を電気信号に変える様子)を1列に並べたもので線材の影を受け、また、シリコンセルの信号を瞬時に記憶する方法により、線材の一瞬静止した影をとらえ、1/100mmの高精度で測定できる装置を開発しました。

自動寸法測定装置の信号処理部

その後、国内メーカーにこの装置の製造販売権を譲渡しましたが、現在、同社で製作された装置が当社の知多工場の線材圧延ラインに、また、鉄鋼他社の鋼管の直径測定に使用されています。

知多工場で使用中の線材圧延用寸法測定装置検出部

今後、この装置は鉄鋼だけでなく、軽金属の分野にも広く使用されるようになるでしょう。また、このように光により物体の形状を測定する方式は製造現場に適しており、現在もいろいろな測定装置を開発中です。

(大同通信 1975年11月号から)

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