舶用バルブ

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舶用バルブ

四方を海に囲まれた日本経済の発展は、船舶の発展の歴史でもあります。今日、日本が世界一の造船国を誇るに至った背景には、たゆまない技術の革新があります。

船の心臓というべきエンジンは、華やかな舞台を演出する裏方として、重要な役割を果たしています。エンジンでも、とりわけ排気バルブは高温の燃焼ガスに常時接触しているため、普通の鋼ではひとたまりもありません。そこで、排気バルブとして使用されているのが耐熱鋼であり、とりわけSUH31です。

現在、渋川工場では10万トン級の船に使用される、舶用バルブを主体に生産しています。大きさは傘部直径で340~480mm、全長で1200~1700mmで、人の身長ほどあります。

舶用バルブ

舶用バルブに要求されることは

  1. 高温の燃焼ガスに対し、耐食性が優れていること。
  2. 反復加熱しても、性質が変わらないこと。
  3. 高温での機械的性質が優れていること。
  4. 熱伝導が良いこと。
  5. 摩耗しにくいこと。

であり、当社の製品はこれらをすべて満足しています。なお、寿命は2~3年で取り替えられることになります。

今、大同通信を読んでいるときでも、当社の舶用バルブを搭載したタンカーや貨物船が、石油や貨物を満載して、七つの海を全速力で走っている、と想像するだけでも楽しいではありませんか。

(大同通信 1976年4月号から)

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