氷の彫刻?TiAl金属間化合物

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氷の彫刻?TiAl金属間化合物

金属間化合物は、通常の金属・合金に比べ一般に脆く、はるかに取り扱いにくい材料です。しかし、この「脆さ」の問題を解決することにより、金属間化合物は優れた新材料になり得る可能性を秘めています。その一つとしてTiAl金属間化合物が注目されています。TiAl金属間化合物は、比重が3.8と従来の耐熱合金の比重約8に比べ半分以下で、窒化ケイ素系セラミックスの3.2に近い軽量材料です。しかもその高温強度は、ジェットエンジンのタービン部品に使われている超合金と同等の優れた強度を有しています。また、TiAl金属間化合物は金属材料に比べ小さいものの、セラミックスにない室温延性(1~3%)を有しているため、セラミックスに比べ高い信頼性を有しています。ジェットエンジン等の航空機部材には、強度を比重で割った比強度が重要視されます。TiAl金属間化合物の比強度は、従来の耐熱超合金に比べ高く、国内外で軽量耐熱材料としての開発が盛んに行われています。

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これまでの研究の結果、TiAl金属間化合物の室温延性および強度を改善するためには、TiAlの化学量論組成(50原子%Al)よりもTiの多い48原子%Alにし、TiAlのマトリックスに約20体積%のTi3Al金属間化合物相を析出させることにより可能なことが判明してきました。上の写真は、TiAlとTi3Alとが非水溶液中(10%AA)で分極特性が異なることを利用して、TiAl相のみを選択的に溶解させた組織を、走査型電子顕微鏡で観察、写真撮影したものです。板状に見える相がTi3Al相で、Ti3Al相の間がTiAl相になっています。このようにTiAl相とTi3Al相とがラメラー状に堆積し、複合材料としてその強度および延性を改善しているのです。

当社では、この優れた特性をもつTiAl金属間化合物を、自動車エンジンのエンジンバルブおよびターボチャージャーのホットホイールに実用化すべく、当社の精密鋳造技術を用いて努力しています。TiAlをこれらの部品に適用することにより、エンジンの軽量化、高燃費化、高出力化を図ることが可能となるのです。

ターボチャージャー用ホットホイールターボチャージャー用ホットホイール

(大同通信 1994年7月号から)

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