あの場所は今 木曽福島工場
今回は、木曽福島工場(長野県木曽郡木曽町福島)です。


1919年2月、第1次世界大戦の戦線拡大による鉄鋼需要に応えるため、合金鉄専門工場として誕生。木曽福島の地で、木曽川の水力発電を用いて合金鉄の生産が開始されました。しかし、終戦後の1922年には合金鉄市況悪化により操業を休止します。1932年に満州事変による合金鉄需要の増加を受け、工場名を福島工場と改めて生産を再開するものの、1945年の第2次世界大戦終戦時に操業を中止。当社の多くの工場が閉鎖される中、1948年4月にようやく操業再開にこぎつけました。





1969年には合金鉄生産を止め、鋳鋼体質改善の一環として築地工場で生産していたシェルモールド部門を木曽福島工場に移設し、精密鋳鋼製品の生産を開始しました。

1980年には木曽福島工場が大同特殊鋳造(株)として独立。同社も2002年に大同特殊鋼(株)鋳鋼品事業部、精鋳品事業部、(株)ダイドープレシジョンパーツと統合して(株)大同キャスティングス木曽工場となりました。しかし、拡大するターボチャージャー部品需要への対応に手狭となったため、2004年に木曽工場は閉鎖。2つの大戦に翻弄された「木曽福島工場」の歴史は終わりを迎えました。


2016年初頭に木曽福島工場の跡地を訪ねてみました。







