砂漠のように乾燥するCH形タイドーレクトロドライヤー
インスタント食品やペニシリン、あるいはピアノなどの楽器の製造に大同製鋼(株)の機械装置が活躍していることをご存じですか?
お茶や海苔の缶の中に乾燥剤として入っている、シリカゲルや活性アルミナを用いて、これらと同じ原理で空気中から水を吸い、大量の乾燥空気をつくりだし、製造室や倉庫の除湿を行なうのがCH形タイドーレクトロドライヤーの役目です。
CH形タイドーレクトロドライヤー
缶の中に入っているシリカゲルは、一定量の水分を吸ってしまうと取り替えなければなりませんが、工業用に大量の空気を得る場合は、水を吸ったシリカゲルから水を追い出し、元の状態に戻して繰り返し使います。図1「CH形ドライヤーの構造」のように、シリカゲルを入れた数個の棚(吸着床)を設けて、そのうちの約半分の棚が水を吸っている間、他の棚が加熱冷却されて、シリカゲルを復元しています。これを順次行うことにより、連続的に乾燥空気をつくります。
図1 CH形ドライヤーの構造
ダイドーレクトロドライヤーには、CH形の他に、圧縮空気やガスまたは液体(プロピレンや塩化ビニールなど)の脱湿を行ういろいろな種類がありますが、その原理はいずれ固体吸着剤の吸着性能を利用したものです。
1961年に、米国レクトロドライヤ社と技術提携して以来、既に850基が石油化学工業をはじめ、ほとんどあらゆる産業界に納入されて、発電所でも活躍しています。
CH形タイドーレクトロドライヤーの納入例
仕様 | ||||
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ドライヤー形式 | 乾燥空気量 | 空調室の湿度 | ||
用途 | 製薬工場の調湿 | CHU | 17,000㎥/hr | 25℃ 20%RH |
楽器工場の調湿 | CHT | 10,000㎥/hr | 30℃ 20%RH | |
電線製造室内の乾燥 | CHT | 10,000㎥/hr | 32℃ 5%RH | |
インスタント食品製造室の調湿 | CHT | 10,000㎥/hr | 30℃ 40%RH | |
高分子化合物製品原料の乾燥 | CHO | 2,600㎥/hr | 60℃ 0.7%RH |
(大同通信1969年12月号から)