たやすく削れて耐食性の良い快削ステンレス鋼 RDS312F
ステンレス鋼は旋削、ドリリングなどが困難ですが、これを改善するため、S(硫黄)を添加したSUS303が使われています。しかし、Sが多いため(規格0.15%以上)、耐食性がSUS304より劣っています。そのため、「耐食性をSUS304並みにした快削ステンレス鋼を」との要望を満たした鋼が誕生しました。それがRDS312Fです。
RDS312Fを使用した時計のケース(上)と農薬噴霧用ノズル
主成分はSUS304にCu(銅)、Se(セレン)を添加したステンレス鋼で、一般の機械的性質はSUS304と変わりありません。私たちの使用する時計のケース、農薬噴霧用ノズル、ポンプシャフトなど精密加工を要するものに用いられ、威力を発揮しています。
(大同通信 1977年4月号から)