医療機器の小型化に威力を発揮する高性能鋳造磁石
この磁石は高Tiアルニコ磁石で、結晶を完全に柱状晶化(写真1)することで、高性能磁石となります。この製造技術は当社で研究開発され、工業化されたものです。
写真1 柱状晶化された結晶のマクロ組織
現在最も一般的に使用されている普通のアルニコ磁石に比べ、約2倍の磁力があります。そのため計器類の小型化・軽量化が可能となりました。ちなみに磁気特性は、残留磁束密度10,500ガウス、保磁力1,500エルステッド、最大エネルギー積10×106ガウス・エルステッドです。
用途は、前述のとおり小型化できますから脳波計、心電図計(写真2)などの、医療機器にも多く使用されています。
写真2 医療機器に使用されている高性能鋳造磁石
近年のエレクトロニクスの急激な発展で、今後は磁石も小型化、高性能化が求められますから、需要の拡大が一層期待されます。
(大同通信 1978年7月号から)