高級火造品タービンロータ
1944年には水力、火力合わせて1,000万キロワット弱であったわが国の発電設備は、戦後の「奇跡の復興」の原動力となって急速に増大し、ついに1億キロワットを突破しました。発電設備の種類には火力、水力、原子力等がありますが、タービン・発電機を使用する火力、原子力発電の比率が増加しています。これらの発電プラントにはスチームタービン、ガスタービン発電機が使用されており、それらの発電機の中核をなす主役は高速回転体タービンロータです。
タービンロータは、高温雰囲気(538℃以上)で高速回転にさらされるため高品質が要求されます。1973年のオイルショックを契機に、最近ではよりエネルギー効率の高いスチームタービン、ガスタービン発電機の開発が進められ、適用鋼種も高合金化しつつあり、品質もさらに高度のものが要求されています。
VCD処理を施した3.5ニッケルクロムモリブデンバナジウム鋼製の
ナイジェリア向14,000キロワット自家発電用タービンロータ
ナイジェリア向14,000キロワット自家発電用タービンロータ
渋川工場では、製鋼工程における取鍋精錬炉でVCD処理、竪型熱処理炉、熱安定性試験設備等を駆使し、また材質によっては大型VAR炉を使用し、タービンロータの製造に関して豊富な実績があります。
(大同通信 1981年2月号から)