水素吸蔵合金
水素は、将来のクリーンなエネルギーとして注目されていますが、最近水素の貯蔵法として、高圧ボンベに換わり金属水素化物を利用する方法が開発され、各方面でその実用化の研究が行われています。
これは、ある種の合金が温度と圧力を変化させることによって、簡単に水素を吸蔵、放出する性質を利用するもので、水素を「固体状」で貯蔵、運搬でき、安全で取り扱いが容易です。
当社ではかねて、これら合金の製造について、独自に開発したプラズマ特殊溶解炉を使用した、技術開発を進めてきましたが、最近家電メーカーとの提携が行われ、チタン-マンガン系合金を中心に量産化を目指し、積極的に用途開発を進めることになりました。
今後期待される有望な用途としては、高圧ボンベに換わる水素の貯蔵、輸送分野(実用化が近い)のほか、次のような応用が考えられ、その早期開発が期待されています。
- 高純度水素(6ナイン)の製造
- 混合ガスからの水素の分離
- 水素放出時の吸熱を利用した冷蔵庫、クーラー
- 水素自動車
(大同通信 1982年9月号から)