超合金舶用排気バルブ
世界の舶用ディーゼルエンジンのトップに君臨するスイスのディーゼルエンジンメーカーが開発した低燃費舶用ディーゼルエンジンの排気バルブに、当社の超合金型打鍛造品(ナイモニック80A相当)が使用されています。
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このエンジンは、新たに超合金の排気バルブを付け、シリンダーの超ロング・ストローク化(ピストンの往復距離を長くする)などにより、世界で最も優れた燃料消費効率を得ています。また一方では、舶用エンジンは低質油の廃棄処理装置ともいわれ、この排気バルブに高硬度、耐食耐熱特性の優れたものが要望されています。
当社は中央研究所、渋川工場の総力を結集し、超合金排気バルブを開発。スイスのディーゼルエンジンメーカーおよび国内ライセンシーの各重工メーカーへ納入し、好評を得ています。シェアは90パーセントを確保、1983年までの受注累計は約1700本(約200隻)に達しています。
この超合金材料開発は、すでに実用化されている自動車用排気バルブの技術がおおいに生かされました。さらに新材料についてスイスのディーゼルエンジンメーカー、国内重工メーカーと協力、実用テスト推進中で好結果が期待されています。
(大同通信 1983年12月号から)