工程省略・コストダウンに寄与する非調質ボルト用鋼
従来より引張強さが70~90kgf/mm2のボルト用鋼には焼入・焼戻しを施した炭素鋼(S45C)が用いられてきました。一方、省資源、省エネルギーの社会的ニーズを背景に、ボルトの製造においても工程省略を含めた総合的見地からのコストダウンが要求されています。
このニーズに応え、合金設計のみならず溶解精錬、制御圧延、制御冷却等の製造技術をも駆使し、非調質ボルト用鋼としてMC鋼(Microalloyed Steel for Cold Heading)を開発しました。MC鋼はボルト鋼製造時の焼入れ・焼戻し工程が省略でき、コストダウンに寄与できるとともに、従来の調質型炭素鋼と全く同等の性能を有しているのが特徴です。
MC鋼
主に自動車用、70および80kgf/mm2級ボルトに用いられ、今後の適用拡大が期待されています。
(大同通信 1985年2月号から)