世界最高の耐食性を有する高硬度ステンレス鋼を開発
大同特殊鋼株式会社は、2005年にステンレス鋼としては最も高いレベルの60HRCという硬さで、世界最高の耐食性を有する高硬度ステンレス鋼を開発しました。NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の基盤技術開発促進事業の助成を受けて開発した独自の加圧誘導溶解鋳造法により、硬さ・耐食性の向上に有効な元素である「窒素」をステンレス鋼に多量に添加する(0.6%含有)技術を確立し、従来の高硬度ステンレス鋼と同等の硬さを有したまま、耐海水用鋼のSUS316に近い世界最高の耐食性を有する鋼種の開発に成功しました。
HRC … ロックウェルCスケール。材料の硬さを表す指数のひとつ。先端が頂角120°、半径0.2㎜の円すい型ダイヤモンド圧子を押し込み、侵入深さを数値化したもの。
開発鋼の特性
開発鋼の硬さと耐食性
開発鋼の塩水噴霧試験結果
(35℃、5%塩化ナトリウム溶液96時間噴霧)
(35℃、5%塩化ナトリウム溶液96時間噴霧)
世界最高の耐食性
塩化物が存在した環境下での腐食の強さを、高硬度ステンレス鋼に限定して独自に評価。
用途
自動車・化学プラント・海洋構造物・IT産業などで使用される各種軸受。圧力・流量制御バルブ、刃物、金型など。
(ふれあいDAIDO 2005年12月号から)