耐食プラスチック金型用鋼 RDS310
自動車、家庭電化品の電装用プラスチックは高温にさらされることが多く、常に燃焼の危険をはらんでいることから、最近では樹脂におもにハロゲン化合物の難燃剤を入れて、これを防止しています。そのため、射出成形中にハロゲンガスやハロゲン化水素が発生し、金型が腐食されるという問題点を抱えているため、従来の耐久性、切削性に加えて耐食性に優れた材料の要求が強くなっています。
研究開発本部では、いち早くこのニーズをとらえ、現在プラスチック金型専用鋼として、市場で好評を博している「NAK55」の技術を生かして「RDS310」を開発しました。この「RDS310」は時効硬化型ステンレス鋼で、耐食性が優れているのはもちろんのこと、客先で加工後熱処理が不要である、被削性、研磨性、溶接性が優れているなどの特徴があります。
「RDS310」はすでに一部の市場でモーターカバー用金型(難燃樹脂)、自動車のハンドルカバー用金型(発泡塩化ビニール)などに使用されており、良好な成績を収めています。一例として、ある客先で使用されているハンドルカバー用金型の写真をご覧ください。
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(大同通信 1976年12月号から)