自動タッピングマニピュレータ
機械事業部では、多くの特殊用途の専用ロボットを開発し商品化に成功していますが、今回はカーバイド製造電気炉の操業を画期的に安全・省力化した「自動タッピング用マニピュレータ(通称ATM)」を紹介します。
カーバイド電気炉の炉前タッピング作業用自動タッピングマニピュレータ
カーバイドは電気炉で溶融製造されますが、製鋼用の電気炉操業と違い、湯を流している時は常時タップホールを人間が丸鉄で突く作業か必要です。この高温・重筋労働で火傷災害の発生しやすい作業を自動化することは、業界の長年の課題でした。日本カーバイド工業会から、このマニピュレータ開発の要請を受けた当社はカーバイドの国内トップメーカーと共同研究の結果、1976年に世界で初めて実用試作機の開発に成功しました。
タッピング作業
装置の最大の特長は、アームの先端に加わる力を操縦レバーに伝え、微妙な制御を可能にしたバイラテラルサーボ機構です。これは人間の目の判断と操縦に手の感触を必要とする、この種の作業の問題点を見事に解決したもので、多方面への応用が期待できます。
日本での公開テストと、欧米でのPRで業界の注目を浴び、現在9基を納入または製作中で、近くノルウェーにも輸出されます。
(大同通信 1977年1月号から。現在、自動タッピングマニピュレータの製造・販売は終了しております。)