ジェットエンジン用ケーシング素材
築地工場は、高級な鋳鋼品を製造する「新しい鋳鋼工場」への脱皮を目指しています。
今回、ここに紹介するジェットエンジン用ケーシング素材は、将来製造法の大きな柱となる、竪型遠心鋳造法で量産を開始した製品です。竪型遠心鋳造法は、回転している竪型の円筒状金型の中に溶鋼を注ぎ、遠心力を利用して加圧するとともに、比重差による不純物の分離をあわせて行い、健全な鋳物を作る方法です。
ジェットエンジン用ケーシング素材
この製品は、ジェットエンジン部品なので、高温で強いことはもちろん、最重要保安部品ということで、欠陥の無いことが要求されます。したがって製造の際には、微量成分のコントロール、熱処理等に高度な製造技術が要求されるとともに、全体の放射線透過検査を含む、高度な製品検査が要求されます。
このような背景から、従来この製品はすべて輸入されていましたが、今回初めて国内で製造可能になったわけです。
(大同通信 1982年7月号から)