都市ごみ焼却残渣溶融システム
家庭から毎日発生する大量の都市ごみ(東京都の場合:1986年度約16,000トン/日)は、各自治体が収集・焼却し、約6分の1の重量の焼却灰として埋め立て処分されています。
しかし、悪臭・水質汚濁等の問題による住民の反対、発生量の増大、埋め立てスペースの不足等から埋め立て処分地の確保が年々難しくなってきました。
当社では、これに着目して1978年からアーク炉を利用した溶融システムを開発してきました。1985年には、知多分工場に灰 25トン/日の実証システムを設置し、知多工場の協力を得て、東京都立会の実証運転に成功し、1987年に灰 250トン/日×2系列の大型システムを東京都から受注しました。
本システムは、1990年稼働開始の予定ですが、世界で初の試みであり、国内はもとより米国などからも注目されています。今後は政令都市を中心に水平需要が期待されます。
特長
- 焼却灰を砂状の水砕スラグとし、無臭・完全無害化・都市ごみ量を12分の1に減容化(さらには再資源化も期待されています)。
- 完全密閉式で連続投入・連続出滓を行う連続式アーク溶融システム
- コンピュ-タによる全自動運転
- ロボットによる完全自動電極接続
- 溶融開始剤使用による電力の安定した滑らかなスタート
実証炉炉内状況
システムフロー
(大同通信 1987年5月号から)