軸受鋼 SUJ2
あ!おいしそうなべっこうアメだ。
このべっこうアメのようなものは、なんでしょう?実は鉄の表面の一部が溶けたところを写真撮影したものです。材料は軸受鋼SUJ2といって、炭素が1%、クロム(Cr)が1%、珪素(Si)が0.2%ほど含まれる代表的な特殊鋼です。炭素量が多いため、熱処理後は非常に硬く、その高い硬さと摩耗に強い特性を利用し、下の写真のような軸受け(ベアリング)に利用されているのです。皆さんもいろんなところでお世話になっているはずです。
軸受け(ベアリング)
写真はSUJ2の連続鋳造で製造した鋳片からサンプルを採り、高温に加熱しながらレーザー顕微鏡で観察したものです。1000度以上の高い温度に加熱されると、炭化物周辺の融点の低い部分が一部溶けます。その瞬間を撮影したもので、研究所に導入されたレーザー顕微鏡の活用例の1番バッターともいえる写真です。
(ふれあいDAIDO 1995年1月号から)