高性能軟磁性粉末 アジャスタロイ
このところエレクトロニクス機器類の高速化・高出力化・省電力化がどんどん進んでいます。しかし、それを支えるモータや電子制御機器の開発に関しては素材面で制約があったため、どうしても既存素材(フェライト)に合わせて無理な設計をせざるを得ず、電力を無駄にしていました。
しかし、新開発のアジャスタロイは、絶縁コーティングをしたさまざまな特性を持つ複数の金属の粉を混ぜ合わせるため、圧粉磁芯(ダストコア)に要求される様々な磁気特性に対応できます(複数の金属を配合するノウハウと粉末の絶縁コーティングの技術が新開発)。このように用途に合わせた特性を持たせることができるため、これまでは不可能だった広い領域での高出力化・小型化(従来材比2分の1以下)と高効率(10kHzではエネルギー損失を50%削減)・高周波対応の両立が実現でき、形状設計の自由度も高まりました。

圧粉磁芯(ダストコア)の用途
アジャスタロイ-Lタイプ(インダクタンス重視) : 高周波数・高電流領域用
- インバーターエアコン、冷蔵庫、洗濯機用周波数変換回路
- 自動車ヘッドライト用電圧昇圧部品、燃料射出装置電源制御回路
- 各種EMC(電磁環境適合性)部品(ノイズフィルター、チョークコイル用コア)
アジャスタロイ-Pタイプ(発生トルク重視) : 高周波数・高トルク用
- モーター、電磁弁、各種の電気から機械的エネルギーへの変換機
(ふれあいDAIDO 2000年6月号から)