ネオジム・鉄・ボロン系異方性ボンド磁石
マグネクエンチ・インターナショナル社の磁性粉末製造技術「超急冷法」と独自の塑性加工技術「熱間アプセット法」を組み合わせ、優れた磁力と100℃以上の高温域でも使用できる高耐熱性を併せ持つ「異方性磁石粉末」と「異方性ボンド磁石」を開発しました。
開発したネオジム・鉄・ボロン系異方性ボンド磁石の仕様は2タイプ
- 磁力が強い「高磁力型」 最大エネルギー積 22MGOe、耐熱性 ~100℃
- 熱に強い「高温耐熱型」 最大エネルギー積 17MGOe、耐熱性 ~120℃
U字磁石の20倍の磁力で活躍の場が広がる
さまざまな形状に成形できるボンド磁石は、パソコンや家電、自動車などのモーターやアクチュエーター、センサーに幅広く使用されています。今回開発した「異方性ボンド磁石」は、従来の等方性ボンド磁石に比べて約2倍もの磁力をもつと同時に高い耐熱性を有するため、活用の場が大幅に広がります。
地球にやさしいエコカーにも
環境への配慮から低公害・省エネルギーで地球にやさしいハイブリッド車や電気自動車といったエコカーへの転換が急がれていますが、より高性能のエコカーを実現するためには高磁力で高耐熱性、しかも形を自由に造ることのできるボンド磁石の出現が切望されていました。開発した「異方性ボンド磁石」なら、エコカー用途への展開も実現できます。
ネオジム・鉄・ボロン系異方性ボンド磁石
等方性
磁石はミクロな磁石の集合体。各ミクロ磁石のNS方向がバラバラの磁石を等方性磁石とよびます。
異方性
各ミクロ磁石のNS方向が特定方向にそろった磁石。すべてのミクロ磁石が同一方向に磁力を発生するため、磁力が強くなります。
※磁石事業は(株)ダイドー電子が展開しています。
(ふれあいDAIDO 2002年4月号から)