幹線電化に伴う寵児 エレマン抵抗鋼
エレマン抵抗鋼は、15%クロム3%アルミニウムのステンレス系抵抗材料です。エレマンの語源は、英語のエレメントをフランス語読みでエレマンとしています。
このエレマン抵抗鋼は、大馬力のモーターを始動、制御する場合に、抵抗を入れて次第に正規の回転数に上げたり、下げたりする抵抗器に使用されるわけですが、5~6年前までは、主にニッケル鋳物が使われていました。しかし、ニッケル鋳物では重く破損度も大きい等の欠点がある上に、しかも価格が割高となったため帯鋼から製造するスチール製抵抗材に変わってきています。
ED30形電気機関車試験用抵抗器
わが社のエレマン鋼は、新幹線をはじめ国鉄、私鉄、地下鉄車輪、電気機関車などの、高速電化とともに伸びていますが、このほかに産業用モーターや、中性点接地抵抗用にも考えられており、その用途は多く、大いに注目されるものの一つです。
主抵抗器
エレマン抵抗鋼の特長は、抵抗値が高く、かつ抵抗のバラツキの小さいことと、プレスで冷間加工ができることが利点ですが、鋳物より軽量で小型化ができ、さらに振動にも強いということで、産業各界に貢献かつ期待されているものです。
電車用抵抗器
(大同通信 1969年10月号から)