マンガン鋼製特殊軌条が危機を救う

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マンガン鋼製特殊軌条が危機を救う

日本で初めてマンガン鋼製特殊軌条の製作に成功

大正末期から昭和初期にかけて訪れた当社の危機を救った立役者が「マンガン鋼製特殊軌条」です。マンガンクロッシングとも呼ばれ、鉄道レールの分岐部分に使用されます。高い靭性、高耐摩耗性を誇り、列車が通過し、荷重がかかるとレールの表面だけが圧縮されて硬くなります。また、長寿命や安全性など多くの優れた特性があります。

当社においては、1919年に熱田工場に鋳鋼工場が完成すると特殊軌条の製作研究に取り掛かり、まず普通鋳鋼製軌道轍叉を名古屋市柳橋交叉点に敷設しました。その後、マンガン鋼製特殊軌条の本格的な研究に着手。熱田工場に木型工場、特殊軌条の仕上・整備工場が完成すると、繁忙を極めるほどの量産期に入りました。1926年には南満州鉄道(株)にも販路を拡大、製品に対する信用はさらに向上し、当社の苦境期における救世主となりました。現在でもグループ会社の(株)大同キャスティングスで生産しており、1964年の東海道新幹線開業時から新幹線向けは全量(シェア100%)を納入しています。

東京市大手町交差点に敷設した当社製ダブル・トラック・クロッシング
マンガン鋼製特殊軌条
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