大同のドリルカラー

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大同のドリルカラー

石油が人類に利用されるようになったのは紀元前3000年ごろのことで、18世紀末ごろまでは地上にしみ出している石油を採って、防腐剤、薬、燈火などに細々と利用されていました。19世紀中期にランプが作られ、また、内燃機関の発明とその普及、発達につれて石油の需要は高まる一方でした。地上にしみ出た石油を採取する方法では需要に追い付かないため、井戸を掘って多量の石油を採る方法に変わりました。

井戸を掘り、石油を採掘

掘削方法

石油井戸掘削方法はロータリー式、衝撃(パーカッション)式などがありますが、現在の石油井戸掘削方法としては、そのほとんどがロータリー式です。ロータリー式の原理は、掘管(ドリルパイプ)の下端にドリルカラーとピットを接続して、地下数千メートルにおよぶ坑底に降ろし、地上で掘管を回転させ、ピットに適当な荷重と回転を与えて岩層を掘り砕き掘進する方式です。掘管、ドリルカラー、ピットとも中空品で、掘進に必要とされている泥水を、地上から抗底に圧送する方式になっています。

ドリルカラー

ドリルカラーとは

  • 長尺、厚肉中空鋼、焼入れ焼戻しされた製品で、掘削荷重として使用。
  • クロムモリブデン鋼で高い抗張力を必要とする。
  • 曲げ、坐屈に強い継手ねじが必要で、仕上精度、規格も厳しい。

ドリルカラーの標準寸法は、外径3.125~11インチ、長さ30~32フィートです。深さ数千メートルの岩層を掘進するために、地上から掘管でつり下げるドリルカラーの数量は30本以上にもなる場合もあります。掘削回転のため坑壁との接触摩耗も激しく、消耗品に近いため、安価なクロムモリブデン鋼(4145H)が用いられます。品質的に高品位な鋼で、製造管理が確立された工場で製造する必要があります。現在、輸出向けを中心に活発に営業活動中です。

(大同通信 1981年4月号から)

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