冷間加工性と強度に優れた新チタン合金 DAT51

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冷間加工性と強度に優れた新チタン合金 DAT51

DAT51は、従来の代表的チタン合金Ti-6Al-4V(α+β型)の欠点である冷間加工性を改善したβ型チタン合金です。

製造方法は当社が開発したプラズマ積層凝固式炉(PPC)を用いて120°回転、かつアルゴン雰囲気で溶解するので均一で高品質の製品かできます。また、熱間および冷間での加工が容易なため、顧客のどのような形状の要望にも対応した製品を供給できます。

純チタンの基本的特徴

  • 比重が小さい
  • 耐食性、特に海水に対しては白金と同じぐらい優れている

これらの特性の他に冷間加工性は焼鈍なしで90%以上の線引加工が可能。硬さは70%加工後でHmV250~300、強度は80~160kg/mm2と高く、バネ特性はベリリウム銅に近い弾性係数(E=12.5×10kgf/mm2)です。

用途

DAT51は、従来純チタンでは強度面から不可能とされていた、細いメガネフレーム(写真下)、特にファッション性が求められる女性用のスリムなフレームにまで利用できます。

スリムになったメガネフレーム

また、Ti-6Al-4V合金では常温で不可能であった穴付きボルト(写真下)の加工も可能です。これらの用途以外でも冷間加工性と強度に優れた特性を生かし、各種用途に推奨しています。

常温加工された穴付きボルト

推奨する用途

メガネフレーム、ボルト、ナット、ファスナー、バルブ・リテーナー、スポーク、海底ケーブル、カメラ部品、ドットプリンター、刃物、時計枠、医療機器、傘の骨、チェーンプレート、スパイクの爪他

(大同通信 1986年7月号から)

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