飛翔 2005年~2015年 モノづくりへのあくなき追求

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飛翔 2005年~2015年 モノづくりへのあくなき追求

当社の100年の成長の過程を5つの時代に分け、それぞれどのような道を歩んできたかについてダイジェストで紹介してきたコーナーも最終回を迎えました。第4回「躍進」に続く、第5回は「飛翔」。2005年から2015年にかけて、「モノづくりへのあくなき追求」です。

世界ブランドへの道

2002年から始まったわが国の景気拡大は、好調な輸出に支えられて低成長ながら戦後最長となり、当社の業績も拡大しました。独自技術と確かなモノづくり技術、「やる以上は諦めない」との気概を発揮してナンバーワン・オンリーワン商品が次々と生み出されました。

具体的には、焼鈍炉のベストセラーになった機械事業部の「STC®焼鈍炉」、世界的な航空機エンジンメーカーに納入された渋川工場の「航空機用エンジンシャフト」、圧倒的な世界シェアを占めた「船舶用エンジンバルブ」、あるいはHDD用スピンドルモーターのハブ用素材として市場をほぼ独占した快削ステンレス鋼の「DHS1」、ハイブリッド車の「リアクトル用磁性粉末材料」、電動パワーステアリング「異方性ラジアルリング磁石 NEOQUENCH-DR」など、グローバルブランドと呼ぶにふさわしいナンバーワン・オンリーワン商品を生産部門、販売部門が一体となって育てました。

グローバル展開では、お互いの特性を生かしたウィン・ウィンの関係をめざす新しい海外協業を求め、米国のティムケン社、インドのサンフラッグ社と提携しました。タイや中国におけるアジア事業と合わせ、2010年以降、当社は「グローバルサプライヤー」への道のりを歩み始めました。

STC®焼鈍炉

航空機用エンジンシャフト(黄色の部分)

船舶用エンジンバルブ

HDD(イメージ)

磁性粉末材料

異方性ラジアルリング磁石 NEOQUENCH-DR

モノづくりの原点へ

2004年、当社の特殊鋼専業メーカーとしての原点は「モノづくり」にあるとの思いから、DMK(大同モノづくり改革)プロジェクトがスタートしました。「モノづくり改革、ヒトづくり革新」の理念を掲げ、製造現場では高い目標に挑戦して技術力、製造力の向上を図るとともに、人材育成の大きな柱の一つとして、現在に至るまで強力に展開しています。

生産プロセスの革新にも取り組み、渋川工場では7000トンプレス、知多工場では当社が独自に開発した大断面鋳造機、150トン電気炉をはじめとする大規模な製鋼合理化を推し進め、戦略製品群の品質・コスト競争力を向上させています。

2008年のリーマン・ショックでは、当社も受注が激減し、売上の急降下と赤字決算に見舞われたものの、全社的な事業構造改革に取り組み、2010年には業績のV字回復を果たしました。しかし、その後も東日本大震災、急速な円高など厳しい情勢が続きました。

2013年には円高が是正されましたが、依然としてわが国経済が厳しい状況にあります。そうした中、創業100周年を迎えた当社では、原点となる商品力、モノづくり技術力、提案力をさらに磨き、素材技術とお客様の加工技術を高度に融合させ、特殊鋼を通じたトータルソリューションを提供することで、世界の発展に貢献すべく挑戦し続けています。

7000トンプレス(渋川工場)
150トン電気炉(知多工場)
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