新理研工業(株)の成り立ち

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新理研工業(株)の成り立ち

1955年に大同製鋼(株)と合併した新理研工業(株)のルーツは、1917年に設立された財団法人理化学研究所にさかのぼります。1927年には同研究所の発明発見を工業化する目的で理化学興業(株)を設立。これが理研産業団、いわゆる理研コンツェルンの誕生であり、1940年には62社に及ぶ一大コンツェルンに成長します。その後、1941年には理研産業団のうち、鉄鋼、機械関係の理研重工業(株)、理化学興業(株)、理研鋼材(株)、理研圧延工業(株)、理研鍛造(株)、理研鋳造(株)、理研工作機械(株)の7社が理研重工業(株)へ吸収合併の形式を取り、理研工業(株)と改称して再スタートを切りました。

建設中の理研鋼材(株)平井工場(1939年)建設中の理研鋼材(株)平井工場(1939年)

軍需生産に総力を費やした理研工業(株)において終戦は大きな痛手となり、1945年8月末をもって最低必要人員を残して全員を解雇しました。その後は民需に活路を見出し事業を継続しましたが、1949年10月31日に企業再建整備法に基づき、理研工業(株)は新理研工業(株)ほか10社に分割され、同年12月1日に新理研工業(株)として再発足。翌年、理研発条工業(株)を合併し、足立、蒲田の両工場を加えた新理研工業(株)は1951年9月期には利益を計上するまでに復調を遂げます。(蒲田工場は、1951年4月に足立工場に集約)1953年8月には木根川工場のハックソー部門を閉鎖し、その帯鋼部門を王子工場に集約、この事業は創業100周年を迎えた2016年現在も継続しています。そして、1955年3月17日に大同製鋼(株)との合併契約の仮調印を行い、10月1日には合併が完了しました。

合併当時の新理研工業(株)の工場、主要製品

平井工場 特殊鋼(棒、平、帯)
足立工場 自動車および車両用スプリング、コイル・スプリング、ロックナット・ワッシャー
王子工場 普通鋼(平、棒)、帯鋸、磨特殊帯鋼、磨帯鋼、ぜんまい、焼入鋼帯、織機用ストリップおよびドロッパー、鉱山工具
荒川工場 黄銅線、銅条、丹銅条 
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