伊勢湾台風からの復旧を急ぐ

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伊勢湾台風からの復旧を急ぐ

救援作業は、被災した従業員の実態調査、水没して孤立状態にある被災地からの救出作業から始まり、救援物資の調達、分配、見舞金の支給、社宅、寮の復旧作業へと続きました。高蔵製作所に避難した従業員家族の数は1,500人を超えました。

高蔵製作所内での救援物資配給

工場の復旧も進められました。災害対策本部が設置された高蔵製作所は、台風後3日目にして早くも生産を再開。さらに星崎、築地両工場のモーターの乾燥や工業炉の復旧作業を担当しました。また、星崎工場に比べて被害が軽微であった築地工場は、鋳鋼は10月1日、鍛鋼は3日から一部稼働に入り、15日からはほぼ平常どおりの生産に戻りました。また、調質部門は10月25日に、機械部門も一部をのぞき台風から1ヵ月足らずで全設備が稼働を再開しました。

7インチフォージングマシンも健在(築地工場)

7インチフォージングマシンも健在(築地工場)

一方、星崎工場では、10月16日にアーク炉1基が通電、18日から溶解をスタート。その後、11月17日までにすべての炉が復旧。また圧延部門は10月26日の中型、小形両工場を皮切りに、11月4日に大形工場が動き始めるころから昼夜稼働を再開。線材ロールは電動機と輸入品の仕上ロールの整備に日数を要して遅れたものの、11月17日に整備を完了し、ここに圧延部門は全面復旧を遂げました。また、調質部門も燃焼炉が10月中旬、抵抗炉も11月中旬にかけて整備が完了。整備・検査部門も10月末までに復旧を終え、星崎工場は11月中旬を迎えて全工場完全操業の体制に入りました。

待望の15トンアーク炉からの出鋼(星崎工場)

待望の15トンアーク炉からの出鋼(星崎工場)

また、研究所も浸水の影響が広範囲に及びました。なかでもカントメーターの被害は大きいものでしたが、米国人技師の手により短期間の修理で再稼働にこぎつけるとともに、機械試験機においても築地工場および名古屋市工業研究所の試験機を借用している間に整備を進めた結果、他の研究部門を含めて11月中旬には復旧作業を終えました。

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