バーナのない燃焼炉 ルミナスウォール炉

topics

バーナのない燃焼炉 ルミナスウォール炉

ルミナスウォール炉とは光り輝く壁を持った炉の意味で、当社が技術提携している米国のHOLDEN社によって開発され、当社で改良した特殊な炉です。そのユニークな存在は、わが国においても各方面で利用されつつあります。

ルミナスウォール式連続アルミろう付炉

工業炉といえば、まず我々のイメージとして、レンガに囲まれた部屋にバーナが取り付けられ、燃料が燃やされているか、発熱体が部屋の側壁や天井に吊り下げられて赤熱されている状態が浮かんできます。しかし、このルミナスウォール炉は、バーナも発熱体も必要とせず、レンガで囲まれた部屋の壁(ルミナスウォール)自体がバーナ、または発熱体の役目をしています。(構造図参照)

構造図

このルミナスウォールの秘密は、非常に通気性のよいレンガで作られた壁の外側から、燃料ガスと空気を混合したものを送り込み、壁の表面で燃焼させていることです。このことは大きな利点を生み出しました。すなわち、バーナや発熱体を必要としないことが、コストダウンとなることはもちろんのこと、(1)炉の中にバーナ等がないため、炉がコンパクトであること、(2)炉の昇温、冷却が早く熱効率もよいので、ランニングコストが安くてすむこと、(3)他の炉に比べて、炉内にいろいろな金物を必要としないので、炉内金物の腐蝕がないこと、(4)壁全体が発熱体であるため局部的に加熱されず、炉内の温度分布が非常によいこと、(5)騒音が少なく作業環境がよいこと、などです。

現在、これらの利点を生かした用途を開拓しつつあり、4基納入、2基製作中です。

今後とも、需要の拡大が期待されていますが、その代表的用途は次のとおりです。

1. 連続式アルミろう付炉(写真)
2. 半田ろう付炉
3. 一般熱処理炉、焼鈍炉
4. ストリップ予熱炉
5. テフロン焼成炉
6. ホーロー焼成炉
7. 塗料乾燥炉
8. 家屋の暖房、プールの加熱

(大同通信 1970年6月号から)

376/570

関連記事RELATED ARTICLES