電化時代に応えるエレマン抵抗鋼

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電化時代に応えるエレマン抵抗鋼

電車と抵抗器

私たちが何気なく乗っている電車にはモハ、サハ、クハ等の区別があります。モハは駆動を目的とした車で、100馬力くらいのモーターが4基もついており、これで動いています。しかし、モーターだけでは決して乗り心地のよい電車にはなりません。ちょうど子供のおもちゃの電車と同じで、発車、停車のたびに乗客は将棋倒しになってしまうでしょう。そこでモーターに与える電流を制限して、なめらかな始動、停止をさせる役目をしているのが抵抗器です。

主抵抗器
抵抗体

エレマン抵抗鋼の特長

抵抗材料としては、従来鋳物が使われていましたが、鋳物は重く大型でもろい欠点があります。車両の高速化とともに、この問題を解決したのが当社の開発したエレマン抵抗鋼で、容易に冷間加工や溶接もできて、かつ軽く小型で振動にも強いのが特長です。

最近の車両生産台数

国鉄の車両生産台数は、現在国会で予算審議中ですが、昭和49年度は新幹線580両、近郊電車600両、電気機関車130両が見込まれています。1台あたりの抵抗材料の使用量は新幹線0.4トン、近郊電車0.5トン、電気機関車1.0トン程度使われています。

世界をめぐる工レマン抵抗鋼

日本で作られる電車の中には、完成車として輸出されるものも相当あります。私たちが汗を流して作り上げた抵抗材は、新造車両の胸に抱かれて、今も世界の鉄路をたゆみなく駆け巡っています。

(大同通信 1973年9月号から)

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