大同式取鍋精錬炉 LF

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大同式取鍋精錬炉 LF

アーク炉または転炉による製鋼工程のうちで溶鋼中の不純物元素を除去する炉外精錬プロセスは、真空脱ガス法をはじめ多くの方式が開発され、実用化されています。

ここに紹介するLF(Ladle Furnace)法はそのうちの一種で、スラグ精錬に重点を置いた高級鋼製造プロセスとして、1971年に大森工場の技術陣が開発したものです。現在は高蔵製作所が製作を担当しており、社内では渋川工場に設置されています。

取鍋精錬炉 LF(Ladle Furnace)

この方式の特長は、アーク加熱の採用により取鍋内の溶鋼の滞留時間の延長を可能にし、脱ガスのみならず、還元精錬に必要な諸機能を著しく拡大しました。アーク炉との組み合わせでは、アーク炉での還元期の省略による大幅な生産性の向上と、品質の改善、安定化を実現します。

各種の炉外精錬法とも一長一短があり、設備は処理目的によって選択されるものですが、設備費が安く、強力なスラグ精錬が可能なLF法が今後さらに普及するものと考えられ、国内外からの引き合いも増加しています。

(大同通信 1978年6月号から)

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