焼ならし省略鋼(DCR鋼)

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焼ならし省略鋼(DCR鋼)

特殊鋼は熱処理で、その優れた性能を発揮します。しかし、熱処理には多量の重油・プロパンガス・電気などの燃料や熱源が必要です。したがって、オイルショック以来、熱処理をしなくても高性能が得られる鋼や、その製造方法の開発が盛んに行われています。この焼ならし省略鋼もその一つです。

焼ならし省略鋼(DCR鋼)による小型2輪車用カウンターギヤ

「焼ならし」とは、自動車部品などの機械部品に使われる鋼(機械構造用鋼)に行われる熱処理です。これまでの圧延法で製造した場合には、硬さや組織に多少ムラが出ることは避けられませんでした。そのままでは、鋼材から切削で部品を製造する際に、工具の寿命や能率にバラツキが生じます。それを防止するために、圧延後に「焼ならし」を行い、鋼材の性質を均一にする必要がありました。

焼ならし省略鋼(DCR鋼)製造工程

これに対して焼ならし省略鋼は、圧延中の材料の温度や圧延速度、冷却速度などを精密に調整することで、圧延後の性能のムラを小さくすると同時に、焼ならしと同等の性能を得るようにしたものです。このような技術をDCR(Daido’s Controlled Rolling 大同式制御圧延)と呼んでおり、DCR鋼は今や自動車およびその関連メーカーで大変好評を得ており、省エネルギーに大きく貢献しています。

(大同通信 1982年8月号から)

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