社内報「大同通信」創刊

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社内報「大同通信」創刊

1954年3月に社内報「大同通信」が創刊されました。会社と従業員との意思疎通、仕事に対する正しい認識を図ることを目的に原則毎月1回発行し、全従業員およびOBなどに配付されています。創刊号に掲載された社長里村伸二のメッセージを紹介します。

大同通信創刊号大同通信創刊号

創刊に際して

取締役社長 里村 伸二

久しく懸案になっていた弘報紙「大同通信」が、ここに創刊を見たことを皆さんと心から喜びたい。

私は、社長就任後、その日はまだ浅いけれども、毎日仕事に忙殺されていて、ゆっくり従業員の皆さんに接することも、なかなか意に任せぬことが多い。皆さんは、まだ私の顔を知らない人が殆どであろうと思う。しかし、幸にも今回、「大同通信」が生まれることになったので、本紙上を通じて今後、私の意見なり、また、常日頃考えているところを述べる機会も多くなるであろうと思っている。これによって、少しでも、私の考えていることや、また、会社の運営の仕方等を知ってもらうことができて、皆さんが、この絶好の機関によって会社の実情を知ることができるだろう。

申すまでもなく、会社の業績は、いろいろの要素の総合結集として現れるものであるが、会社の仕事に従事する総ての者が、その持っている力を最高度に発揮することの必要なことは、もとより当然である。

何事によらず、知らなかったが為に思わぬ誤解や、齟齬を生じて力を充分に発揮できない場合は、往々あることであるが、このことは、会社の仕事についても全く同様である。そこで、私は、皆さんにも会社の事情特に、事業経営上の隘路等については、できるだけ多くを知ってもらって、そこから湧き出る正しい認識の上に立って、それぞれの仕事に充分な力を出してもらいたいと念願している。これは取りも直さず、会社業績の向上と、従業員の労働条件の向上とを併せ持ち来すものであるからである。

また、各人の持ってる能力というもの自体が決して固定しているものではないのであるから、これを向上させることに常に努めなければならない。これがためには、不断に勉強することが必要である。人間は生きている限り、常に勉強は必要であるといえるのであるが、会社の生活においても、もとよりそうなのであって、絶えず努力して自分の能力を高めながら、それを仕事の上に反映させてゆくという心構えをもって、これを実行して頂きたい。このことは、及ばずと雖も、自分の日常生活において実践に努めているところである。そういう者こそ、社会にとってなくてはならない人間であり、またかかる人は、会社からもその輝かしい将来が約束せられるであろうことは疑いない。

「大同通信」の紙面には、恐らく、各部工場、支店の種々の業務事情や、各職場のトピック、あるいは、多種多様な解説記事、あるいは、くだけたホットニュース、放談等が次々と号を追って立ち現れることと思うが、これ等を通じて、「大同通信」が、皆さんの会社に対する智識を深め、勉強するために役立つところのものとなることを期待して止まない次第である。

どうか皆さん、この「大同通信」の硬い記事あるいは、柔らかい記事を通じて、会社の事情によく通じ、愉快に毎日の仕事に励んで頂きたい。


1991年4月号から「ふれあいDAIDO」に名前を変えた社内報は、あす6月10日に発行される2016年6月号で累計727号に到達します。

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