エレクトロスラグ再溶解炉(ESR炉)

topics

エレクトロスラグ再溶解炉(ESR炉)

エレクトロスラグ再溶解炉、略してESR炉は渋川工場に導入した新鋭設備であるとともに、機械事業部の有力な新製品です。

エレクトロスラグ再溶解炉

ESRとは、鋼塊(消耗電極)を、スラグ中に突っ込み、その抵抗熱により、水冷ルツボ中に溶解滴下しながら特殊なスラグにより精錬され、下部から積層凝固し、清浄で加工性のよい皮削り不要の、きれいな肌の鋼塊を作る溶解方法です。(下図参照)

当社では、世界最大の真空機器メーカーである西独ライボルトヘラウス社から、真空アーク炉に引き続き、ESR炉の製造および操業技術をいち早く導入しました。そしてこのたび、同じく西独の著名な鉄鋼メーカーで、ESR炉のメーカー、ユーザーでもあるラインシュタール社からも、その豊富な経験により生まれた操業技術の導入が可能となり、当社独自の製作・操業技術とあいまって、ハード・ソフト両面の体制が整いました。

本炉は、真空アーク炉より設備費が安く、しかも品質のよい鋼塊の生産に適しているので、今後急速に発展、普及することは確実です。すでに250トン、200トンもの大型炉の引き合いもあり、数年先には年間10億円台の売上を予測し、技術の蓄積と販売に努力しています。

(大同通信 1972年1月号から)

365/570

関連記事RELATED ARTICLES