DSフィーダ(ワイヤ補助送給装置)

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DSフィーダ(ワイヤ補助送給装置)

DSフィーダ(ワイヤ補助送給装置)

当社で生産しているDS溶接ワイヤは、20~250キログラム巻きにしてユーザーに納入し、各種の溶接組み立てに使用されています。溶接現場では溶接電源(A)の近くにワイヤ送給装置(B)を置き、そこにセットされたワイヤ(C)から、中空ケーブル(D)を通し、トーチ(E)にワイヤを送給し、構造物との間で溶接を行います。

溶接作業の際、中空ケーブルは自由に湾曲させるので、内部を通過するワイヤには大きな摩擦抵抗がかかり、定速送給を妨げます。そのため、一般に使用されている中空ケーブルの長さは3メートルで、大きな構造物を溶接するときなどは、ワイヤと電源を頻繁に移動させる必要がありました。

この不便をなくすために造船、橋梁など大型溶接構造物の溶接現場では、ケーブルを可能な限り長くして、作業範囲を拡大することが大きな課題となっていました。

そこで当社では、補助送給装置DSフィーダ(F)と延長ケーブル(G)、および2つの送給装置を同調させる制御器(H)(特許出願済)を開発しました。これにより作業範囲が30メートルまで広がり、小型軽量のDSフィーダとトーチとを持ち歩けば、機動的に大型構造物の溶接ができるようになりました。造船、橋梁などで実用テストを重ね、造船関係からの受注に成功しました。

(大同通信 1982年2月号から)

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